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ロンドンの街角から

連載コラム
「ロンドンの街角から」

【6】


「プーチン政権の誕生」見つめる英マスコミの眼

(2000年4月4日付)


 ロシアのプーチン大統領代行が大統領選で勝利した。昨年八月に首相、大晦日(み そか)に大統領代行、そしてこの五月には第二代大統領に就任という出世ぶりであ る。

 チェチェンへの軍事行動を強力に展開し制圧したことで、一気にロシア国民の人気 を得たが、具体的な政策はまだ打ち出されていない。あの気難しそうな顔の奥には何 があるのだろうか。

 イギリスのメディアは、プーチン氏に対して期待と不安が混合した分析をしてい る。KGB(旧ソ連・国家保安委員会)のスパイという経歴と、改革路線のサンクト ペテルブルク市幹部時代の猛烈な仕事師ぶり。チェチェン問題で見せた強硬姿勢と、 西側への歩み寄りを示唆する物分かりの良さ。自らを語らず、政策もまだ明確でない プーチン氏の謎は大きい。

 『インディペンデント』紙は、「もし、プーチン氏のもとでロシアが寛容の国とな ったら、彼は尊敬に値するだろう。しかし、選挙に勝つために(チェチェンの)市民 を殺したのだから、とても悪い始まりだ」と非難の調子が強い。

 『タイムズ』紙は、「プーチン氏は若く精力的で、(病床にあったエリツィン氏と 違い)クレムリンで実際に政策実行のために働くことができる。新大統領のもと、ロ シアはようやく変革への大きな機会を手に入れた。そして今度こそは、失敗しても言 い訳はできない」と、厳しい口調のなかにも期待をにじませている。

 ブレア首相は、西側首脳で唯(ただ)ひとり、プーチン氏と会談を済ませている。 改革支援の助言チームを派遣する予定で、どこよりも強く二国間関係を築き、ビジネ スチャンスも得たいという考えらしい。 (有田晴也・英国ウォーリック大学博士課程在籍)