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週刊誌クリティーク

連載コラム
「ロンドンの街角から」

【2】


ハイダー党首が突き付けるもの

(2000年2月15日付)


 国際的非難の中、オーストリアで右翼・保守連立政権が発足。他の欧州連合(E U)加盟国同様、英国も二国間関係を凍結した。

 非難を一身に浴びているのが、右翼・自由党のハイダー党首。ナチスの雇用政策賛 美などから、極右とみなされている。

 このハイダー氏、どうもブレア首相をお気に入りのようだ。かねてから、後者との 思想や政策の共通点に言及している。他国との関係修復をもくろむ彼は、最近も、そ の最適の調停者として、ブレア首相の名を挙げた。

 これに対し、英国側は迷惑と言わんばかり。「両者には全く共通点はない」、「他 国同様、厳しく強硬な態度をとる」と反論している。

 ハイダー氏は、ブレア首相とイメージを重ねることで、内外の尊敬を得ようと企ん でいるらしい。『デイリー・テレグラフ』は、最も厳しくこの件に言及。いわく、 「彼がオーストリアのブレアであるとの打算的な主張を誰人も信じてはいけない」。

 彼の理念や政策は、実はコロコロと変化している。『エコノミスト』最新号は、 「真のハイダー氏を突き止めるのはとても難しい」とし、「ただ時のみが、彼が本当 に悪党であるかどうかを教えてくれるだろう」と結論している。確かに、対話をする チャンネルを持ち続け、推移を見守る以外に、他国が取れる手段はない。

 戦後の右翼政党のパターンから推すと、自由党がより穏健な路線へと変更していく 可能性は十分にある。しかし、移民増加による反動的民族主義など、彼が喚起した問 題は、そのままEUの難問として残り続けるだろう。だとすれば、EUにとって、ハ イダー氏が「目障りで憎い」のも納得のゆく話である。(有田晴也・英国ウォーリック大学博士課程在籍)