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タイトル画:検証:構造改革報道

検証:構造改革報道

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マスコミに「小泉離れ」の予兆
参院選後、「構造改革不況」大合唱か

(2001年7月10日付)


 日本経済の目下の最大の懸案は、不良債権の早期処理である。閣議決定された「経済・財政運営の基本方針」(骨太の方針)でも、2〜3年で最終処理することが確認されている。

 ▼日米首脳会談を経て国際公約に

 この問題は日米首脳会談を経て、いまや国際公約ともなっているが、構造改革というよりは過去の失政の清算というべき性質のものだ。そして、これを公約通り実行しようとすれば、融資先企業の倒産、従業員の首切りという「痛み」がたちどころに表面化する。だからこそ、バブル崩壊以後10年たっても解決されずに先送りされてきた。こうしたいきさつは、とうにわかりきったことのはずである。

 「骨太の方針」が発表された翌6月22日付朝刊各紙は、おしなべて小泉改革を歓迎する社説を載せている。「抵抗排して実現を図れ」(共同配信)、「小泉改革てこに新成長軌道めざせ」(日本経済新聞)、「着実な実行へ工程を固めよ」(読売新聞)といった具合である。

 このこと自体に異論はない。しかし、個々の社説の中身を点検すると、必ずしも小泉改革を支持しているとは思われない、見出しと中身の違う「羊頭狗肉」社説であることがわかる。

 小泉改革のポイントは、今後23年間を「集中調整期間」と位置付けて、この間の低成長もやむをえないと国民に理解を求めていることだ。竹中経済財政担当相は、この間の平均実質経済成長率を01%程度と見込み、不良債権処理に伴う失業者数は、10万20万人になると指摘している。

 小泉首相の旗じるしは「構造改革なくして景気回復なし」だが、日経は「基本方針で気になるのは、改革による痛みを強調するあまり、低成長に甘んじる姿勢がみられることだ」として、景気への目配りを怠らぬよう注文をつけている。

 改革は賛成だが、低成長は困るというわけである。失業者数は竹中担当相の予想を上回るとみられるため「改革に伴う痛みに十分に配意する必要があることは、言うまでもない」(読売)などと念押しをしている。

 ▼メディアは守旧派の応援団になるな

 過去10年間に11回、総額130兆円もの「景気対策」を実施したにもかかわらず、日本経済は安定した回復軌道を見いだせず、金融機関の抱える不良債権も減らないという苦い体験を繰り返してきた。だからこそ、思い切った構造改革が必要だということになったはずではないか。

 当面、短期的には苦しいかもしれないが、それに耐えて長期的な繁栄につなげていこうという小泉改革に対して「低成長ではダメだ」「万全のセーフティネットを用意しろ」だのと野党張りの難癖をつけたのでは、小泉改革そのものを否定することになる。

 異常ともいえる小泉人気で参院選に勝ったとしても、来年度予算編成が具体化する段階で守旧派の小泉批判が表面化するのは必至だ。このときメディアが「構造改革不況」の大合唱を始めれば、守旧派の思う壷だろう。現実に、早くもメディアの「小泉離れ」を予言する向きさえ出ている。

 「今度こそ」の構造改革が実現できるかどうかは、メディアの姿勢に大きくかかわっている。(立命館大学教授)