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(2004年12月28日付)
過去半年ほどの間に法廷で記者の情報源秘匿の権利を否定する判決が相次ぎ、ニューヨーク・タイムズ紙のW・サファイア氏をはじめとするジャーナリストの間から、情報源秘匿に際してジャーナリストに一定の保護を与える法律を連邦レベルで制定すべきという声が上がっている。
先ごろの例としては、元市長とその側近の収賄の証拠となるFBIのおとり捜査のビデオテープをある情報源から入手、放映したロードアイランド州のテレビ記者が情報源を明かすように法廷で求められたが拒否したため、法廷侮辱罪で自宅拘禁6カ月を言い渡された。
記者がテープを入手、放映したこと自体はなんら法に抵触するものではないが、情報源がテープを外部に流したことは被告の公平な裁判を受ける権利を侵害していると同時に違法であり、記者は裁判官の求めに従って法に背いた情報源を明かすべきであるというのが裁判官の言い分だ。
ジャーナリストの責務は市民の知る権利に奉仕することである。情報源がジャーナリストに情報を流す際に法を破ることは問題ではあるが、政府が法を破った情報源を捕まえるのを補助するところにジャーナリストの責務があるわけではない。情報源が不純な動機を持って情報を漏洩する場合もあり、情報源を匿名にすることは時に深刻な問題をもたらす。
しかし権力による不正を明るみに出すといったような内部からの情報がカギとなる報道は、ジャーナリストが取材源に対して情報源の秘匿を確約できなければ不可能である。別件で同様の理由で法廷侮辱罪を問われているタイム誌のM・クーパー記者は公判中に、「ジャーナリストには情報源の動機の純粋さに依って、どの情報源を秘匿し秘匿しないかを選ぶ贅沢は与えられていない」と述べているが、これはすべてのジャーナリストが肝に銘じているはずの金科玉条である。
ジャーナリストは保護法によって、法を超えた特権を寄与されるわけではない。それは独立した存在として人々の知る権利に貢献し、表現の自由を遂行するために必要な措置なのであり、保護を受けるジャーナリストの側も節度を持って取り扱うことが求められる。
(椎名亜由子・在米ジャーナリスト)