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(2004年11月23日付)
一国主義的に決断を下したイラク戦争での戦況が一向に好転せず、国内経済も停滞する中ながら、総票数の過半数以上を獲得してブッシュ大統領が再選を決めた。選挙戦中は国際協調の必要性も示唆し、再選を経た大半の政権がそうであったように2期目には中道化する気配も漂わせていたが、予想されたよりも安定した勝利を収めたことでその方向性に変化が現れそうな気配が漂ってきている。
接戦のため開票後、勝者が数週間も決定しなかった2000年の選挙の汚名を払拭し、自信を回復した新生ブッシュ大統領の様子を報道したのは8日付のニューヨーク・タイムズ紙。ロサンゼルス・タイムズ紙は自信をつけたブッシュ大統領は中道化することなく、より大胆な保守化政策をとるのではと予測する(4日付)。
ワシントン・ポスト紙は7日付の1面で、フランスをはじめとする欧州諸国との断裂については、関係修復にむけて動かねばならないという理解はあるものの、基本方針において妥協することはないという政権内部の人物のコメントを引用し、ことに外交政策についてはトーンに変化はあるにせよ、根本的な変化は見られないだろうとする分析記事を掲載した。
レーガン元大統領を尊敬し、ことあるごとに自身との相似点を強調するブッシュ大統領だが、レーガン大統領の轍を踏んで2期目には妥協策を打ち出すのだろうか。これについては専門家の意見が割れている。
レーガン大統領同様の功績を残したいと考えているブッシュ大統領はより現実的にならざるを得ないのではないかと予測する専門家の意見と、ゴルバチョフという新しいタイプの指導者が登場したレーガン大統領の時期とは状況が違う、ブッシュ大統領の世界観は確固としており、レーガン・モデルはとらないとする意見だ(ワシントン・ポスト紙7日付)。
イラク戦争のみならずイラン、北朝鮮の核問題、アラファト議長死去による中東情勢への変化など、外交政策上、近年まれに見る重要な時期に米国は直面している。新生ブッシュ政権がどのような政策を打ち出すのか、新閣僚の発表も含めてしばらく目が離せない。
(椎名亜由子・在米ジャーナリスト)