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(2004年7月27日付)
ニューヨーク・タイムズ紙7月15日の1面に、チェイニー副大統領が、次回の大統領選挙の候補から外れるという噂がワシントン内で駆け巡っているというニュースが掲載された。いわく、チェイニー副大統領の長年の主治医が解雇されたのは、新しい主治医が同氏を新たに検診して、かねてからの持病の心臓病が悪化していて大統領選に出るのは控えたほうがよいと進言することによって、邪推を持たれずにチェイニー氏を候補から外すためだという憶測だ。
この記事をきっかけに、各紙、テレビは一斉に副大統領候補入れ替えという話題に飛びつき、専門家を招いて意見を求めたが、結果的にはただの噂、もしくは一部の政治家たちの淡い夢に過ぎないようだ。ナショナル・レビュー誌ほかを中心に活動する保守系のジャーナリスト、ジョナ・ゴールドバーグ氏などはCNNに出演した際に、NYタイムズ紙の報道が現実化したら、同紙の一面を食べてみせるとまで言い切った。
現時点でチェイニー副大統領を切り捨てるのがブッシュ政権にとって得策でない理由としてはいくつか考えられる。まず、イラク戦争推進派として知られるチェイニー氏を降ろすことは、同政権のイラク政策が誤りであったと暗に認めたと有権者に取られかねない。また大統領以上に発言力を持つといわれるチェイニー氏が降ろされれば、共和党の右派が黙ってはいないだろう。
しかし、同氏が今回の大統領選挙の不安要素となっている点も否めない。7月15日付のCBSおよびNYタイムズ紙の世論調査によると、民主党の副大統領候補であるエドワーズ氏を好ましくないと考えている人はたった13%に過ぎないのに、チェイニー氏を好ましくないと考えている人の割合は37%にも上る。チェイニー氏を候補から外すのも、残すのも、どちらもブッシュ政権にとって危険をはらむ選択になりつつある。
(椎名亜由子・在米ジャーナリスト)