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(2003年8月12日付)
7月の下旬、ニューヨーク・タイムズ紙は「日本は変われるか?」というタイトルで3回にわたり日本関連記事を連載した。1面もしくは3面に掲載された記事は、経済力の衰退とともに米国の主要メディアで大きく扱われることが絶えて久しかった日本に久しぶりのスポットライトを当てた。
同紙日本特派員のハワード・フレンチ記者による記事は、変わりつつある核武装に対する概念、移民の受け入れの問題、女性の社会進出という3つの話題を取り上げた。そのうち移民の受け入れと女性の社会進出という2つの話題は、社会の高齢化および少子化という同軸上に横たわる問題である。
この2つの問題に関する日本の立ち遅れは明らかだが、改めて指摘されると愕然とするものがある。女性の社会進出に関する記事中では、女性支援において日本は75カ国中69位と下位にランキングされたことが紹介されている。
そのうえで識者の意見として、「女性を脇においやる」ような女性の社会進出に非協力的な社会は「片手を後ろ手に縛られて戦っているようなもの」であり、これでは20年前は世界の覇者であるかのように見えた日本が経済的に低迷し続けているのも無理はないと述べた。
移民問題に関しては、職場の文化と教育システムから日本が移民を受け入れるのは今後も難しいであろうし、「社会は常に浮き沈みするものであり、日本社会は消滅し何か他のものに取って代わられるが、これはさしたる問題ではない。ギリシャやローマも消滅したのだから」と述べる筑波大学教授のいささかショッキングなコメントも引用されている。
国連によれば、現在1億2000万いる日本の人口は今世紀末までには半減すると推定される。そんな中、移民の受け入れと女性の労働力市場への組み込みは日本にとって不可避の道である。現状を変えなければ日本はさらに衰退の一途をたどるというのが一貫したメッセージだが、米国随一の高級紙が発したこの警告、日本はどう受け止めるのだろうか。
(椎名亜由子・在米ジャーナリスト)