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(2002年12月24日付)
12月5日に行われた、S・サーモンド上院議員の100歳を祝う誕生日パーティーの席上で、共和党のトレント・ロット上院院内総務は1948年にサーモンド議員が人種隔離政策を掲げて大統領選に立候補したことに触れ、「サーモンド議員が当選していたら、その後、数々の問題は起こらなかっただろう」と述べた。人種隔離政策支持ともとれる発言に米メディアの非難が集中、同議員は院内総務の職を辞するまでに追い詰められた。
しかし、主要メディアが発言を問題視し始めたのは、発言から4日も過ぎた、週明け9日以降のこと。直後に発言そのものを取り上げて報じた数少ないメディアでも「祝いの席上のことで、深刻に受け止める必要はない」(8日、NBCの政治トーク番組「ミート・ザ・プレス」でのシカゴ・サン・タイムズ紙、ロバート・ノヴァク記者の発言)といったトーンが多勢を占め、当初、同議員の問題発言はこのまま見逃されるかに見えた。
この姿勢を問題視したのが「ブロッガーズ」と呼ばれる、インターネット上の政治コラムニストたちである。彼らはロット議員が1980年のレーガン大統領出馬のキャンペーン時にも同内容の発言をしていたことや、白人優越主義を標榜する団体の会報に寄稿している事実などをいち早くネット上から発信し、氏の院内総務としての資質に疑問を呈した。
ネット上の情報には信頼性に欠けるものも多いが、今回、非難の口火を切ったジョシュア・マーシャル、アンドリュー・サリバンなどは政治雑誌への寄稿を生業とするジャーナリストであり、信頼度も高い。政治家たちを情報源と頼む主要メディアの記者たちと異なり、ワシントン中枢への批判がしやすい土壌にいることも彼らの特徴だ。
かねてから主要メディアの記者や政治家たちも注目する存在へと成長しつつあったインターネット・ジャーナリストが、米国ジャーナリズム上でより大きな役割を担いつつあることを今回の事件は強く印象付けた。
(椎名亜由子・在米ジャーナリスト)