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米国ジャーナリズム時評

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世界が注目した米大統領の国連総会演説

(2002年9月24日付)

 世界が注目したブッシュ米大統領による国連総会での演説は、米国の対テロ戦争の対象がアル・カイーダからイラクのフセイン政権へと移ったことを正式に表明する場となり、イラク攻撃に向けた国際体制の構築を一気に加速する形となった。

 ニューヨーク・タイムズ社説は大統領の協調姿勢を評価し、イラクが安保理の決議を執行しなければ攻撃もやむを得ないとの見方をサポート(支持)したが、同時に根強い反対派の意見を反映する形で、米国はテロ撲滅に専念すべきであり、国内の急進派に押されて軍事行動を急ぐべきではないとしたオルブライト前国務長官からの寄稿を掲載した。

 ワシントン・ポスト紙は国家の安全保障に対する決断は大統領に委ねられるべきであるという専門家による論説を掲載する一方、時を同じくして公表されたフセイン政権の国連安保理決議に対する違反行為を糾弾した文書に言及して、証拠や新たな情報に欠け、現在の違反行為の証明としてはいかにも希薄とする分析記事を掲載した。

 CNNはスコット・リッター前国連査察官をスタジオに呼び、イラクが大量破壊兵器を開発しているという証拠が出るまでは攻撃は時期尚早との考えを引き出した。

 しかし、今回の国連演説がブッシュ政権にとって大きな一歩となったことは間違いない。

 ブッシュ大統領が演説で問いかけたように、イラクを放置して「国連がその設立意義を守れるのか、それとも有名無実となってしまうのか」との問題に突き当たるのか、もしくは潜在的な脅威のみを根拠に先制攻撃を仕掛けるという悪しき前例を作ってしまうのか、世界は歴史の分岐点に立たされている。

(椎名亜由子・在米ジャーナリスト)