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米国ジャーナリズム時評

【3】


イラク攻撃を巡るメディア論調に変化

(2002年8月13日付)

 8月初め、米上院外交委員会は2日間にわたって対イラク政策に関する公聴会を開き、フセイン体制転覆に向けた米軍によるイラク攻撃の是非を話し合った。

 7月に入るころから米メディア上では、中東地域での新たな戦争の可能性を報じるニュースが目に見えて増加した。内部リークに基づいたすっぱぬき報道も目立ち、メディアの憶測報道は米軍兵士を危険にさらすとブッシュ政権はいらだちを隠さない。

 米軍上層部ではフセイン政権転覆よりも「封じ込め」継続の意見が多勢を占めるというワシントン・ポスト紙の報道と、首都バグダッドを急襲し指揮系統を切断、フセイン政権の急激な崩壊を狙う作戦が検討されているというニューヨーク・タイムズ紙の報道が相次いだ後に開かれた記者会見で質問を受けたラムズフェルド国防長官は、「君たちは新聞で読んだすべてのことを信じるわけではないだろう?」と独特の皮肉たっぷりの口調で応じた。

 公聴会以前は、議会は戦争の是非を論ずるべきであるという点にもっぱらメディアの関心は集中していたが、攻撃の是非が論じられるようになった今、今度はブッシュ政権が次はいかなる方策に出るのかに注目が集まっている。

 先日、ウォール・ストリート・ジャーナル紙とニューヨーク・タイムズ紙は、ブッシュ大統領が議会の承認なしに対イラク戦に踏み切ることは合憲か、違憲かを論じた専門家による論説を掲載した。

 たとえ違憲でなかったとしても、非常事態でもないのに議会の承認なしに軍事行動をとることが民主主義的なのか、ブッシュ大統領には米国民と日欧を含む同盟国が納得する説明が求められるであろう。

(椎名亜由子・在米ジャーナリスト)