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連載コラム
「欧州メディア時評」

欧州メディア時評

【3】



テレビの「やらせ」対策 フランスでの取り組み

(1999年2月27日付)



 フランスのテレビで人気のルポルタージュ番組に、最近「やらせ」の事実が相次いで発覚した。民営局最大の第一テレビの番組「ルポルタージュ」は、憲兵に演じさせた「再現シーン」を本物の逮捕場面であるかのように放映し、国営局第三テレビの「ルーツと翼」による山岳救難の模様は、実は保安機動隊の訓練であったことも明らかにされた。

 各局の公式の陳謝、責任者の処罰にとどまらず、テレビやラジオ、映画など、視聴覚メディアの調整・管理を行う公的機関である視聴覚高等評議会(CSA)が、「情報の公正さの原則違反」として督促(とくそく)を発し、抜本的な対策を促した。

 視聴覚通信の自由を保障する法律に則って八九年に設置された同評議会は、個人の尊厳や公共秩序など、基本的原理が視聴覚メディアによって尊重されるよう配慮する。「情報の公正さ」「青少年保護」「仏語擁護(ようご)」などから成るメディアの義務の履行(りこう)を監視し、違反を認めた場合は、督促、罰金、放送許可の一時停止などの制裁をほどこす権限を持つ。毎年全国ネットのテレビ局の五万時間以上にわたる番組をチェックするだけでなく、地方ネット局やケーブルテレビなどについては視聴者への調査を行っている。

 今回の「やらせ」に関し、同評議会議長は、「映像を修正・加工し、再構成するデジタル技術をテレビ局が自由に使える現状を考慮すれば、この種の違反を放任すると取り返しがつかないことになる」と、断固とした措置をとる意志を見せた。

 テレビが今後、報道メディアとしての信頼性を保つことができるのか、「やらせ」対策は重要なポイントとなろう。

(三崎ロイヨ由美子・在仏ジャーナリスト)