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(2002年5月28日付)
『週刊新潮』5月30日号の「アンコールワットのタクシー運転手と『同棲』日本人女性急増中」は、この雑誌らしい差別的な記事である。
カンボジアを旅する日本人女性が現地の男性と恋に落ち、同棲や結婚に至る事例が増えている(らしい)ことを、あたかも“日本女性の堕落の象徴”であるかのように嘆いてみせたものなのだ。
リード文にいわく、「海外のリゾート地で無軌道ぶりを発揮し、顰蹙を買ってきた大和撫子が、今度はカンボジアで男漁りというのだから恐れ入る」――書いた記者の心のありようをよく示している。
若い女性が自由に海外に行ける時代になったことを苦々しく感ずる、封建的女性観を持った人が『週刊新潮』の読者層には大勢いて、彼らの心情を代弁する形でこの手の記事が作られているのだろう。
また、この記事には、『週刊新潮』が根強く持っているアジア人蔑視も色濃く感じられる。同棲急増中の相手が「ニースの白人男性」であったなら、こんな揶揄的な記事にはするまい。
記事中には、現地の男性と同棲・結婚した当の女性たちのコメントもある。そのうちの一人は「たまたま好きになったのがカンボジア人の彼だったということです」と言い、一人は「主人の人柄に引かれて結婚したんです」と言う。
彼女たちのほうがよほど、21世紀にふさわしい国際人に思える。『週刊新潮』を愛読していては国際人にはなれない。
(前原政之・ジャーナリスト)