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(2002年1月22日付)
『週刊新潮』(1月17日号)が、某自民党代議士が女優とデートしているところを隠し撮りし、グラビアで報じた。休刊した『フォーカス』の役回りを引き受けたわけでもあるまいが、デートの模様まで細かく描写する低劣さは、覗き見趣味以外の何物でもない。
いっぽう『週刊朝日』(1月18日号)は、小泉首相の学生時代の恋愛体験について詮索した記事を、「首相告白『男になったのは20歳』の真相」なるタイトルで、「スクープ」と銘打って載せた。こんな記事のどこがスクープなのかと、呆れ返る。
公人にもプライバシーは当然ある。政治家としての職務に影響しないかぎり、メディアは私生活にまで踏みこむべきではない。ミッテラン(前仏大統領)には、婚姻外の女性との間に生まれた娘がいた。記者たちはみなそのことを知っていたが、報じなかった。モラルの問題はさておき、大統領としての職務とは無関係であるからだ。
1994年、有力週刊誌『パリ・マッチ』が初めて娘の存在を報じたところ、同誌は他のメディアから、「私生活を暴かないというフランス・ジャーナリズムの伝統を破った」として、囂々たる非難を浴びた。
公人に対しても私生活を尊重するフランスのメディアと、「公人なら私生活を暴いてもよい」と言わんばかりの日本の週刊誌。どちらが上質であるかは、いうまでもない。
(前原政之・ジャーナリスト)