

(1997年10月11日付)
【回数】39
【タイトル/キーワード】不登校
【紹介ホームページ】東京シューレ
【URL】http://www.shure.or.jp/menu.html
【本文】
今から百年ほど前まで、自殺は個人的な病気だと考えられていた。しかしデュルケムという社会学者が『自殺論』という本を書いて、自殺は社会的な背景の濃く現れた社会現象だと主張した。激しい論争になったそうだが、今では自殺が社会現象だということはあたりまえになっている。もちろん一人ひとりは個人的に悩んだすえに自殺するのだが、そこにいたるプロセスは社会的なものなのだ。
これと似たような経緯をたどった現象は多い。不登校もそのひとつ。かつて不登校は病気と見なされていた。「登校拒否症」「学校恐怖症」と呼ばれ、児童精神科医による「治療」が必要とされた。もちろん学校に復帰することが「解決」と考えられていたわけだ。
ところが一九八八年あたりから「登校拒否は病気じゃない」という人たちが現れ、マスコミの論調も徐々に変化する。文部省も九十年代になってそれを認めるようになる。そしてごく最近の研究者たちは、いじめ問題などもふくめて「学校問題」と呼ぶようになっている。そう、問われているのは学校の方なのだ。
「東京シューレ」(http://www.shure.or.jp/menu.html)は、学校に行かないと決めた子どもたちの広場的存在として有名な東京シューレのホームページ。若い人たちのにぎやかな雰囲気が印象的だ。
人を育てるのは人であって、学校ではない。いま問われているのは、学校がこのような共愉的な出会いの場になっているかということではないか。
(野村一夫・法政大学兼任講師)