

(1997年9月6日付)
【回数】35
【タイトル/キーワード】無法地帯
【紹介ホームページ】「インターネットの法律問題」
【URL】http://www.asahi-net.or.jp/‾zg2y-fjt/int/
【本文】
中学生による神戸市須磨区の殺人事件では「フォーカス」の問題とともにインターネットのあり方も問題になった。ネット上で実名なるものが流され、「フォーカス」掲載の問題写真も二次利用された。何でもできる「庶民のメディア」インターネットが、裏を返すと、何でもできる「無法地帯」であることが強調されたように思う。
まさにその通り。けれどもそれはインターネットだけの問題だろうか。同じことは週刊誌やテレビにもいえるし、ウワサにだっていえるのではないか。たとえば、常軌を逸したマスコミの取材はダイアナ元皇太子妃の不慮の死でさえも引き起こした。インターネットの無法地帯ぶりを強調するマスコミ自体も本質的には無法地帯なのだ。
そもそもメディアにかかわることは怖いことである。いともかんたんに人を傷つけてしまう。マスコミで働くプロでさえ使いこなせていないのに、アマチュアが場当たり的に使ってしまうインターネットが人を傷つけないわけがない。
弁護士による個人ホームページ「インターネットの法律問題」(http://www.asahi-net.or.jp/‾zg2y-fjt/int/)では、新しいメディアであるインターネットがどのような形で社会の秩序と抵触するのかがよく整理されている。野放しの自由では国家の規制を呼び込むだけだ。折り合いのつけ方を学び、自らの良心に従って自制する「大人の倫理」が問われている。そう、マスコミもインターネットもそれは同じである。
(野村一夫・法政大学兼任講師)