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連載コラム
「インターネット 世界への扉」

インターネット 世界への扉

【31】



三国志

(1997年8月9日付)



【回数】31
【タイトル/キーワード】三国志
【紹介ホームページ】三國輔臣賛
【URL】http://www2.snowman.or.jp/‾hiroto/

【本文】

 人形劇三国志の劇場版を見に行ったことがある。出し物が終わって、最後に観客席にあいさつにまわってきた人形の孔明や趙雲たちと至近距離になったとき、私はかれらとむしょうに握手したくなった。さっと手を伸ばしていれば、あとあと悔いを残すことなどなかったのだが、あのとき感じた熱い思いは何だったのだろうと思い出す。

 吉川三国志、横山三国志、NHK人形劇三国志、そしてゲーム三国志……。世代によって入り口はさまざまだが、三国志はどの世代にも共通に親しまれてきた数少ない物語である。

 英雄たちのカリスマの魅力、三国鼎立(ていりつ)のダイナミズム、権力の生成と腐敗。肩入れする人物は人によってさまざまだが、かれらの活躍する物語世界そのものにもきっと人の心を引き込む力があるのだろう。

 「三國輔臣賛」(http://www2.snowman.or.jp/‾hiroto/)は若い世代のファンによる「正史」三国志のホームページ。年表や当時の地図もふくめて三国志の世界が立体的に構成されている。他の三国志・中国史関連サイトへのリンクも豊富だ。

 しばしばマニアは正史へ立ち返る。正史によると当然のように曹操はけっこうな大人物だったりする。そこにひとひねりあるわけだが、さらに正史と三国志演義とをくらべてみれば、のちの人びとが何を三国志に求めてきたかも明らかになる。インターネット時代、依然として三国志は人びとの熱い思いを静かに映す湖面のようだ。

(野村一夫・法政大学兼任講師)