

(1997年8月2日付)
【回数】30
【タイトル/キーワード】縦書き
【紹介ホームページ】「パソコン創世記/富田倫生」
【URL】http://www.voyager.co.jp/neb/NEWGPC/index.html
【本文】
ホームページを見るソフトのことをブラウザーという。それは最初はたんにホームページを見るための専用ソフトだったのだが、今ではそれで何でもできるようになった。メールのやりとりやネットニュースという電子会議室のようなものへの参加もできるし、インターネットラジオを聴いたりビデオを見たりすることもできる。もはやそれ自体がウィンドウズやマックOSのような一種の基本ソフトのようだ。
ところが、国際技術競争による驚異的な進歩のかげで、私たち日本人にとって不満な仕様がまだ残っている。それは縦書きである。なぜこの選択肢がないのか。進行中の技術競争の本質を浮き彫りにしているようにも思う。
ワープロソフトの世界では縦書きは当たり前のことで、画面上の原稿用紙に文章を打ち込むことだってできるのに、インターネットのブラウザーの世界ではまだ横書きしかできない。好みにもよるが、長いものを読むのに横書きしかないのは困りもの。新聞も文庫本も小説もたいていは縦書きである。だから読書家ほど縦書きにこだわるものだ。
「パソコン創世記/富田倫生」(http://www.voyager.co.jp/neb/NEWGPC/index.html)は「ネットエキスパンドブック」というソフトを利用した縦書きの電子本。事前に無料ソフトを組み込んでおくと、ブラウザーからそのまま「本」が現れる。原稿用紙千枚以上のパソコン史。「やっぱり縦書きでないと読めないな」と思う私は古いのか。
(野村一夫・法政大学兼任講師)