

(1997年6月28日付)
【本文】
現代社会には二つのことばが満ちあふれている。「権力のことば」と「消費のことば」。権力をもっている人たちの声は大きい。そして物を売ろうとする人たちの声も大きい。この二つの声が語り続ける「ことば」がやはりこの社会を動かしている。だからこそ、そこに暮らす私たちは、その二つの「ことば」を冷静に分析して、自分らしさを失わないように心がけなければならないのだ。
たとえば「消費のことば」。もはや広告なしの社会はありえない。それゆえ広告とうまくつきあう術が必要なはずなのだが、あいも変わらずワイド型テレビを買ったりパソコンを買ったり携帯電話を買ったりと、結局今日も広告に踊ってしまった自分を発見する。
「電通古今東西広告館」(http://www.dentsu.co.jp/DHP/DOG/MUSEUM/home.html)では、広告代理店電通が所蔵している資料を駆使して、広告の多彩な歴史がわかりやすく解説されている。まだ江戸時代の広告事情について始まったばかりだが、数年かけて現代までたどる予定だという。今後が楽しみだ。
リンクをたどって電通全体のホームページに行ってみると、今度は現代の壮大な広告的世界が開けてくる。この対比はおもしろい。「日本の広告費」「ヒット商品」「媒体別広告量」などデータも豊富だ。
インターネットは目下急成長の広告媒体(メディア)である。二十一世紀にはどこまでいくのか。それは私たちがどれだけ踊るかで決まる。
(野村一夫・法政大学兼任講師)