

(1997年3月1日付)
【本文】
コミックやアニメなどの熱心なマニアを「オタク」と呼ぶようになって久しい。この人たちの集まりでさかんに「おたくは――」といった会話がなされるのに注目したある評論家がそう名付けたのが発端だ。すでに日本語として定着しているといっていいだろう。
ところが、その定着の過程で「オタクは暗い人たちだ」という見方も定着してしまったようだ。病的で社会性がなくヘンパな人たちという印象である。けれども、それは思いちがいである。そもそもオタクは社交的で開かれた人たちである。積極的にテーマを深め研究し議論するいきな人たちなのだ。
というわけで、このさいオタクについてきちんと考え直してみようではないか。自分の中のオタク的な部分にも自省の光を当てたいものだ。それには何といっても「オタキング・岡田斗司夫のページ」(http://www.netcity.or.jp/OTAKU/okada/)が最適だ。岡田さんは東大で「オタク文化論」の講師もしている、その方面の第一人者である。ここでは、オタクに関する岡田さんの有名な二冊の本の全編が無料公開されている。どんどん立ち読みしてくださいという、いかにもインターネットらしいやり方だ。「国際おたく大学」にもぜひ立ち寄ってほしい。東大での講義が読める。
もはやアニメやゲームを中心とする日本のオタク文化は、世界に発信して十分通用する代表的な日本文化である。いまだに「オタクは暗い」と思いこんでいる日本人だけがそれを知らない。
(野村一夫・法政大学兼任講師)