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新アジアの潮流

連載コラム
「新アジアの潮流」
石丸次郎・アジアプレス大阪オフィス代表

【23=完】

6カ国協議はどこへいく?


(2003年12月16日付)

 北朝鮮の核開発問題の解決を目指す6カ国協議は、年明け1月中旬に持ち越されたようだ。北朝鮮は核開発の「凍結」(平壌は放棄とは言わない)と、米国による安全保証の文書化を並行して進める「同時行動の原則」を主張、さらに「凍結」の見返りに経済・エネルギー支援などを求めていた。

 一方、米国は、北朝鮮が「検証可能かつ不可逆的な核開発の完全放棄」を明確にし、具体的行動を取ることを条件に「安全保証」の文書化に応じる方針だった。要するに北朝鮮は「核開発カード」を先に放棄することは受け入れなかったということだ。

 他方、中国が共同声明の事前の文書化にこだわったのは、6カ国協議を開いて事態が平行線、あるいは決裂となれば、舞台は国連に移り、危機が深まる可能性が出てくるからだ。米国との良好な関係をなんとしても維持したい中国は、国連の場で米国が提案するであろう様々な対北朝鮮決議に、反対票を投じることは簡単にはできないはずだ。

 むしろ北朝鮮に対する最大の支援国として、圧力行使に相応の役割を果たすことを求められかねない。「安定した分断朝鮮半島」を中国が望む限り、6カ国協議の枠組み維持は極めて重要なのである。

 一方で、来年末の大統領選再選が至上課題であるブッシュ大統領にとって、北朝鮮の核問題は「急いで解決すべきテーマ」から「選挙に邪魔にならなければいいテーマ」に、今後実質的に格下げされていくことになる。

 とすると、当面ブッシュ大統領は「検証可能かつ不可逆的な核開発の完全放棄」という原則だけを求め続ければいいということになる。軍事行動は選挙リスクが高く選択の余地はない。金正日政権が、もし「核保有宣言」や核実験などの挙に出て事態をエスカレートさせるようなことになれば、ブッシュ政権は、舞台を6カ国協議から国連に移していくことを宣言するだろう。

 とはいえ、米国が対北朝鮮で大きな動きを見せることができるようになるのは、一年後の米大統領選挙の後になる可能性が高い。

 (石丸次郎・アジアプレス大阪オフィス代表)