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(2003年9月23日付)
「文化大革命時代を思うと、閉鎖された国の中で抑えつけられている北朝鮮民衆の苦難には同情を禁じえない」と述べる中国人は少なくない。
身の毛もよだつような北朝鮮の人権蹂躙は中国人にも広く知られるところとなって、対外開放をかたくなに拒否しているがゆえに無残に落伍したままの民衆の生活についても、25年前までの自らの経験から中国人には十分に想像がつくのだという。
朝鮮戦争をともに戦い、同じく社会主義を標榜する友好国の中国でも、金正日政権に対する不信が増幅していることを、国境を接する吉林省を取材していて感じる。1400キロに及ぶ国境では、北朝鮮政府が関与している可能性が高い麻薬や日本製中古車などの密輸が横行している。
経済は全く立ち直る兆しが見えず、難民流出は今も続いており、膨大な食糧やエネルギー支援も終わりが見えない。「さんざん世話になり面倒をかけながらも北朝鮮は言うことを聞かない」とは吉林省の警察関係者の弁だ。
中国がお膳立てした先月の核開発を巡る6者会談でも、北朝鮮が強硬な態度を崩さなかったことで北京には失望感が広がったことだろう。経済成長を最優先課題としてきた中国は、「安定した分断状態」を維持することを朝鮮半島政策の基本としてきたが、金正日政権は中国の信頼をどんどん喪失しており、胡錦濤政権は今後、この政策を変えていく可能性がある。
(石丸次郎・アジアプレス大阪オフィス代表)