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新アジアの潮流

連載コラム
「新アジアの潮流」
石丸次郎・アジアプレス大阪オフィス代表

【4】

韓国は日韓米安保体制から距離を置くのか


(2003年2月18日付)

 「北の核の問題において、韓国は一方の当事者としての立場で米国側につくべきでなく、朝米間の仲介をするべきだ」

 韓国の丁世鉉統一部長官の発言がソウルで物議を醸している。北朝鮮の核開発問題を、あたかも朝米間のもめごととして他人事のように考えている、と保守層が強く反発をしているのだ。

 北朝鮮は一貫して「核エネルギー開発はしても核兵器開発はしない。核問題は米国と交渉し国際協議はせず」と主張してきた。ところが、北朝鮮がすでに核兵器数個分を作れるプルトニウムを秘密裏に抽出しているというのは、日韓米当局の共通認識であり、危険な核開発をやめさせることは周辺国にとって死活的に重要な安全保障問題である。日本にとっては「朝米間のもめごと」で済むレベルの問題ではない。

 金大中政権の太陽政策の継承を公言している盧武鉉次期政権。その中核を担うであろう重鎮議員たちも「ソウルは米朝の仲裁に立つべき」という発言を始めた。

 これは盧次期政権が、かつてともに朝鮮戦争を戦った米国の側に必ずしも立たないというメッセージであり、韓米軍事同盟体制を見直す可能性を示唆している。

 そうなると東アジアの安保地図が塗り変わる一大事となる。盧次期政権は議会では少数派であり、与党民主党内にも対北政策で保守派が存在するため予測は簡単ではないが、東アジアの日韓米安保体制から、韓国が距離を置くという新しい盧ドクトリンが登場するかもしれない。