![]()
(2003年1月21日付)
「民衆の勝利、民主主義の勝利ですよ」「これで国の将来は本当に危うくなった…」
13日まで滞在した韓国ソウルで、昨年末の大統領選挙の結果について、友人たちはこのような対照的な反応を見せた。
大激戦の末に当選した盧武鉉氏は、貧困から這い上がった反体制派弁護士出身で進歩色が強く、40代以下の若い層の圧倒的支持を得て、ソウルなどの大都市圏と全羅道(金大中氏の地盤)で勝利。
李会昌氏は裁判官出身のエリートで典型的な伝統保守派。40代以上の強い支持とハンナラ党の地盤の慶尚道で勝ったもののタッチの差で及ばなかった。
日本のメディアは、5年に一度の今回の大統領選挙を「親・北朝鮮派VS強硬派」という構図で語ろうとする向きが多かった。盧さんは金大中政権の「太陽政策」継続を言明し、北朝鮮に対して融和的。一方の李さんは北朝鮮には是々非々の相互主義を主張していたからだ。
だが実際の選挙では北朝鮮問題は争点のひとつに過ぎなかった。「権威主義的な保守的社会システムの維持か、社民的要素まで含む社会変革か」というのが全体の争点だったのだ。
勝利の余韻と敗北への落胆のコントラストをソウルで何度も見るにつけ、「誰が首相になっても同じよ」と政治不信極まった日本よりも、隣国の社会の方が健全な気がしてしかたなかった。