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(2003年1月7日付)
今年はのっけからアジアの西と東の端で国際紛争が起こりえるかもしれない。西は言うまでもなくイラク、そして東はわが隣国の北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)である。西のイラク情勢を眺めながら、金正日政権は自らの生き残りのために核危機醸成ゲームを続けていくことが予想される。隣国朝鮮半島のことをわれわれは考えるべきなのだろうか?
朝鮮半島は、東西冷戦が世界でもっとも激しく現出した地域であり(戦争まで起こった)、南北朝鮮の厳しい対立そのものが長らく朝鮮半島問題であった。だが現状はどうか。韓国はこの10年間、着実に民主的諸制度を整え、経済発展を成し遂げた。社会成熟は年ごとに進む。
一方の北朝鮮は90年代に入ってからマイナス成長続きで、ついに100万単位の国民を餓死させるに至った。にもかかわらずいまだに市場主義経済導入と対外開放を拒否している。それどころか、外貨獲得のためにミサイルや麻薬・覚せい剤まで輸出してきた。民衆は世界でもっとも劣悪な人権状況の中で閉じ込められたままだ。そして核開発問題……。
このように北朝鮮が孤立し荒廃し無頼化してしまった原因については、これまでの歴史的脈絡を無視できないのだけれども、今や朝鮮半島問題=冷戦の残滓ではなく、=「北朝鮮問題」という認識でないと現状は解けない、と私は考えている。そして、もうひとつ大切な視点は、北朝鮮問題全般においては残念ながら日朝関係はその一部分でしかないということだ。
拉致問題、国交正常化問題によって、日本社会はかつてないほど北朝鮮に対して関心を見せた。だが、朝鮮半島情勢が大きく流動化する可能性がある今、二国間の懸案解決に加えてさらに北朝鮮を俯瞰して眺め考える必要があるだろう。火急の問題は、もちろん核開発を放棄させること、そして北朝鮮に住む人々がいかに人間らしく生きられるかだ。
朝鮮半島問題=北朝鮮問題の解決を、東アジア共通の利益として日韓中露そして米国で、知恵を出し尽くし考える時点に立ったように思う。(石丸次郎・アジアプレス大阪オフィス代表)