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(2002年8月20日付)
東ティモール独立を選択した住民投票からちょうど3年。その前後に起きた数々の虐殺事件の実行者たちが裁かれようとしている。先週、インドネシアの人権特別法廷は元州知事だったアビリオ・ソアレス被告に有罪判決を言い渡した。治安当局者の人権侵害に対し、判決が出たのはこれが初めてである。国際世論に圧されてとはいえ、インドネシアが自ら罪を裁いたという点では意味がある。
しかし、量刑は問題だ。拘禁10年6カ月の求刑に対し、拘禁3年の判決では、あまりにも軽すぎる。ソアレス被告は117人以上の虐殺について、罪を問われている。直接の実行犯ではないにせよ、民兵などによる独立派住民への虐殺行為を野放しにしていた責任は重い。
東ティモールでは、私の事務所のインドネシア人ジャーナリストも民兵に殺害されている。その事件も含め、私は5件の虐殺事件をビデオで記録してきた。虐殺は全土に及び、多くの市民が犠牲となっている。その非人道的な行為はもっと厳しく裁かれねばならない。
また独立派弾圧を指示したインドネシア軍の指揮官は無罪となり、最高幹部にいたっては起訴すらされていない。責任のもっとも重い軍人たちが免責されるようでは、本当の裁判とはいえない。インドネシアで裁けないのなら、国際戦犯法廷などで審議する道はないものだろうか。人道に対する罪には例外も時効もあってはならないのだから。
(野中章弘・アジアプレス代表)