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アジアの潮流

連載コラム
「アジアの潮流」

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世界有数の難民受け入れ国・豪州の光と影

(2002年6月18日付)

 日本では牧歌的な印象が強い豪州だが、ここ数カ月、国際社会の強い非難を浴びている。

 豪州の難民法は、正規の旅券や査証などを持たない不法入国者のうち、いわゆる密航者は、司法手続きなしで期限を定めずに強制収容する。だが、迫害や弾圧から逃れようとする者はその証拠書類の所持を恐れるほうが普通で、国際的な人権基準に反すると長年批判されてきた。

 加えて3月末、最大の難民収容所ウーメラで被収容者と保安員との“衝突”が発生。施設の一部が燃え上がり約50人が脱走、支援した市民20人余りが逮捕される事件が起こった。

 直後から市民団体や法律家団体が次々と立ち上げたインターネット上のサイトには、職員による精神的・肉体的拷問の実態が暴露されている。中東からの移民によるこんな書き込みもある。「不法入国だから強制収容するというが、米国や英国、ドイツやフランスからのオーバーステイ常習者の白人は皆無、私と同じ肌の色や信仰を持つ人たちばかりだ。『私は獣じゃない、人間として扱え』と泣き叫ぶ女性をどんな思いで見つめたか……とても言葉にできない」

 さらにその後も別の収容所で被収容者が自殺未遂を図った事件などが報じられ、各国から抗議が殺到――それでもなお、豪州が世界有数の難民受け入れ国であることは事実なのだ。そして、収容所内部や被収容者の姿が見え、市民の広範で強力な支援がなされる国であることも。

(関口千恵・ジャーナリスト)