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(2004年12月7日付)
盧武鉉韓国大統領が11月12日、ロサンゼルスの世界問題評議会で行った演説の後遺症が米国内に広がっている。
その内容は、北朝鮮が核を持とうとしていることに理解を示すとともに、「核疑惑の解決はあくまでも6者協議で行うべきで、絶対に武力行使などすべきでない」と、再選されたばかりのブッシュ大統領に釘を刺したものだった。
演説当初はアメリカのメディアはほとんど報じなかった。だが、ブッシュ大統領周辺の外交担当者は、この演説内容については事前に知らされており、最初から冷淡な反応を示していたという。それでも盧大統領は、いいタイミングと見て演説した。「言うべきことはアメリカにもはっきり言う」というスタンスが韓国国内向けに受けるという計算もあっただろう。
それから2週間経って、米主要メディアも専門家たちの反応を交えながら報道し始めている。ワシントンからの極秘情報だと、この演説に先立ち、盧大統領は国家安全保障担当補佐官をワシントンに派遣、ライス大統領補佐官らに演説内容について詳細に伝えたという。アメリカ側は、「他国の大統領の演説に、どうこういう筋合いはない」と突っぱねた反応だった。実は韓国内にもこの演説をめぐって反対する声があった。
『東亜日報』などは「この演説は韓米関係に爆弾を投げるにも等しい。するべきではなかった」と批判している。東洋的にいえば、再選されたばかりのブッシュ氏には「おめでとう」の一言でよく、説教がましく、武力攻撃はするななどというのは礼を失するものだ、ということらしい。
欧米的にいっても「米政権は対北朝鮮武力行使はしないと言明しており、同盟国の首脳同士は二人だけの会談でホンネをぶつけ合うのがルール。公衆の前でこうした微妙な問題を持ち出すのはかえって北朝鮮に誤解を与えるだけだ」(米議会外交問題担当者)という見方がある。
盧大統領の対北朝鮮柔軟姿勢はいってみれば信念のようなもので、同趣旨のことは11月30日の東南アジア諸国連合(ASEAN)・韓国首脳会談の場でも繰り返している。
核疑惑解決は6者協議の場が最善であることはブッシュ大統領も言っている。武力行使もしないと断言している。盧大統領の講演内容自体、間違ってはいまい。
日韓米がそうした成熟した同盟関係にきていることは間違いのないところだが、「やはり時と場所は心得ていうべきもの」(米シンクタンク主任研究員)といった意見があることを書き留めておく。(高濱賛・在米ジャーナリスト)