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新アジアの潮流

連載コラム
「新アジアの潮流」

【17】

韓国ウラン実験発覚、北朝鮮の爆発事故
ブッシュ政権は冷静沈着


(2004年9月21日付)

 韓国のウラン転換実験発覚についても北朝鮮の大爆発事故についてもブッシュ政権は、冷静な対応に終始している。

 「今朝鮮半島で劇的なことが起これば、米大統領選に響きかねない。だからブッシュ大統領としては、ことさら事を荒立てないようにしている」と解説する向きもある。果たしてそうだろうか。

 確かに、これまでイラクは選挙戦の争点になっても北朝鮮についてはブッシュ、ケリー両候補とも触れようとしてこなかった。ブッシュ政権の本心は、なへんにあるのか。

 韓国の「核実験隠し」についてブッシュ政権は苦々しく思っているだろう。こうした事実は韓国が公表する以前からアメリカは知っていたはずだ。しかも1980年の話だし、いまさら批判がましいことを言っても始まらないとの判断だろう。

 事実、盧政権とは発足当初からうまくいっていない。ブッシュ大統領は先の共和党大統領候補受諾演説でも韓国については一切言及しなかった。(日本については二度にわたって言及し、イラク復興での協力に謝意を表したにもかかわらずだ)

 一方のケリー候補は、韓国については言及を避けたものの、北朝鮮北部両江道での大爆発事故では、ブッシュ政権の対北朝鮮政策を槍玉に上げた。

 ニューヨーク・タイムズ紙が「北朝鮮が核実験を準備している兆候がある」と報ずるや、ケリー候補は待っていましたとばかりに、「ブッシュ政権はイラクにばかりとらわれ、北朝鮮問題を深刻化させた」と激しく批判。北朝鮮問題を大統領選の争点の一つに据えるかのような考えを示した。

 しかしながら核開発を唯一の交渉材料に対米瀬戸際外交を続ける北朝鮮にケリー政権は、ブッシュ政権とは違うどのような方法をとろうとするのか。直接対話を強調はするが、勝算があるとは思えない。

 レーガン政権下で安全保障担当補佐官を務めたリチャード・アレン氏が早速、ケリー候補の見解に手厳しい批判を加えている。

 「中国を交渉の仲介役に引っ張り出し、日米韓中ロによる対北朝鮮6者協議以外にいったいどのような方法があるというのか」(ニューヨーク・タイムズ紙15日付)。

 大統領選の結果を見定めるまで6者協議への出席は当面見合わせるという北朝鮮。ブッシュ再選だろうと、ケリー政権誕生だろうと、常識的に考えて、アメリカの対北朝鮮スタンスが激変するとは思えないのだが……。

 (高濱賛・在米ジャーナリスト)