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(2004年6月29日付)
前回15日付の本コラムでは、在韓米軍削減についての韓国の動揺ぶりと米国の反応を取り上げた。それにしても、疑問に思うのは、これほど北朝鮮の核開発をめぐって6者協議が暗礁に乗り上げている最中に、なぜ米国がこうした決定に踏み切ったのかだ。
米国防総省筋の公式、非公式な見解をまとめると、こうなる。
「米国は『海外駐留米軍再配置検討』(GPR)を通じて、迅速に対応できる統合軍の配置構想を練ってきた。その結果、作戦上の追加負担なく有事の際に韓国に米軍を派兵できるようになった。さらに米兵はどんどん減るが、パトリオット・ミサイルを配置したり、海空軍力の強化、グアムなどに戦略爆撃機を増強配置することで必要な補完措置はすべてとれる。このために今後3年間にわたり、110億ドルの強化費用を出すことも決まっている」
パトリオット・ミサイル配備は、日本も負担することになるミサイル防衛システムのことだ。今年秋ごろから日本海に常駐するというイージス艦もその一翼を担うことになる。一方、グアムを、これまでのような兵站基地から攻撃拠点基地に模様替えし、すでに攻撃型原潜3隻の常駐に踏み切っている。2006年までにはさらに3隻増強するとの情報もある。
あるシンクタンクの主任研究員はこう言い切る。
「北朝鮮が韓国を核攻撃すれば、在韓米軍がいようといまいとグアムなり在日米軍基地から核報復する。抑止力は生きている。通常兵器で南下してきたら、それは第一義的には韓国軍が防戦する以外にない。その意味からも核問題はどうしても6者協議で解決せねばならない」
いずれにせよ、米国防総省は地上軍中心の駐韓米軍と海空主軸の在日米軍との水平的分業関係の調整を終えた。その結果、在日米軍に戦力と指揮系統を集中させることを決めたのだろう。米軍が推進しようとしている機動化には韓国よりも日本の方が有利との判断がある。
今度、韓国から引き揚げるのは、第2歩兵師団第2旅団の4000人弱だが、いずれは陸軍第1軍団司令部も日本に移転されるだろう。つまりここ当分、残留する在韓米軍の主力部隊を在日米軍が指揮することになりそうだ。
(高濱賛・在米ジャーナリスト)