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(2004年6月15日付)
アメリカは6月6日、2005年末までに韓国に駐留する米軍3万7500人のうち1万5000人を削減すると公式に通告した。ブッシュ政権が進める海外駐留米軍のトランスフォーメーション(海外駐留米軍再配備計画)の一環とされ、韓国側には昨年6月、非公式には伝えていた。
その後、盧武鉉大統領の弾劾騒ぎなどで韓国軍のイラク派兵問題が先送りされたりして実施が遅れていた。
ところが今春になってイラクへの米軍増派が急務となり、5月14日には一方的に通告、4日後の17日にはブッシュ大統領自らが盧大統領に電話で伝えた。その直後、日本の小泉首相にも伝えている。
アメリカにしてみれば、イラク増派となれば、「在日米軍よりもランクでは劣る1・5級または2級基地の在韓米軍」(『米国防総省海外駐留米軍再配備検討=GPR』)をまわすのが一番手っ取り早い。それならば、これを機に在韓米軍削減の一環として、と考えたわけだ。(注=北朝鮮の「核の脅威」が歴然としているのになぜ、については別途説明したい)
ところが、韓国の若い世代を中心に広がっている反米軍ムードに押し上げられて大統領になった盧氏の方は、この素早い動きに当惑した。国民向けには「予見されたことであり、毅然として対処し、『協力的自主国防システム』の早期構築を進める」と発言したが、その中身ははっきりしていない。
韓国の動揺を尻目に、アメリカには「『ヤンキー・ゴーホーム(米兵帰れ)』を叫びつづけてきたのは韓国国民。何をいまさら」といった空気が強い。なかには「韓国は今や北朝鮮と無二の親友になっている。北の脅威などもうないと信じ込んでいる」(米シンクタンク研究員)と言い切るものもいる。
国防総省日本部長だったジム・アワー氏は、「ポスト冷戦期においてアメリカには米軍撤退を含む多くの選択肢があることを日韓の識者たちは理解できていない。今やアメリカはフリーハンドだということを忘れている」とコメントしている。
(高濱賛・在米ジャーナリスト)