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新アジアの潮流

連載コラム
「新アジアの潮流」

【6】

拉致問題解決は米議会の総意だ


(2004年3月16日付)

 北朝鮮の核問題をめぐる第2回6者協議は次回の協議を6月末までに開催することや作業部会新設で合意し、閉幕した。日本人拉致問題では、中国の王毅外務次官の「議長総括」で「(核問題と)関連する懸案に対処する」との間接的な表現で言及しただけだった。拉致被害者ご家族にとっては本当にやりきれない思いでいっぱいだと、お察しする。

 いつも思うことだが、この問題でアメリカは北朝鮮に対してどのような「圧力」をかけているのだろう。アメリカが拉致問題で北朝鮮とどのようなやり取りをしているかをビビッドに記録した文書を最近、目にした。

 このコラムでも書いたことがあるが、今年1月上旬、アメリカの専門家グループが北朝鮮の核施設を視察した。時を同じくして米上院外交委員会顧問2人もピョンヤンを訪問、北朝鮮高官と会っている。

 その2人、K・ルース、F・ジャヌジィ両氏が議会に『North Korea: Status Report on Nuclear Program, Humanitarian Issues,and Economic Reforms』という報告書を提出、3月上旬公表されている。

 この中で2人は、北朝鮮外務省の宋日昊(ソン・イルホ)副局長にこう述べている。

 「アメリカは日本人拉致被害者とその家族がどうしているかを含む、北朝鮮における人権(抑圧)問題について重大関心を持っている。これはアメリカ国民の(人権問題に対する)強い信条を反映しているものである。アメリカは、同問題の解決のために北朝鮮当局が早急な措置をとることを切望する。拉致被害者や家族の福祉は、国際的な関心事であり、とくに米上下両院議員全員にとっては特別の関心事であることを強調しておきたい」

 これに対し、宋副局長はこれまでの経緯を説明、最後に「将来さらにこの問題について回答したい」と述べるにとどめたが、アメリカからの強硬な要求に驚いたはずだ。日米関係の絆の強さを改めて知ったに違いない。

 むろん被害者ご家族の米議会への働きかけもあるだろうが、「拉致問題解決はわが国議会の総意」とまで言ってくれる国はほかにはあるまい。超大国・アメリカには一目も二目もおく北朝鮮にとってボディブローになっていることは想像に難くない。

 (在米ジャーナリスト・高濱賛)