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(2004年2月17日付)
中断していた北朝鮮の核問題を協議する次回6者協議が25日から開催されることになった。北朝鮮が再開の条件にしていた共同文書問題で一応の決着を見たからだろう。その間さまざまな情報や憶測が流れた。
仲介役の中国から北朝鮮に対し、協議参加の見返りとして巨額の資金援助提供が約束されたとか、米軍はイラク戦争で効力を発揮した衛星誘導爆弾JDAMを北朝鮮攻撃に備えてグアムに配備したとか、といったものだ。
1月上旬には、北朝鮮の核施設が集中する寧辺を米核専門家訪朝団が視察した。結局、北朝鮮からプルトニウムらしいものを見せられたが、本物かどうか断定は出来なかった。稼動中だった5000キロワット実験用原子炉の燃料棒には年間6キロのプルトニウムが貯蓄され、抽出可能ではあったが、核兵器の製造能力があるかどうかは確認できなかった。
「核兵器を持とうと思えばいつでも造れるんだぞ。だからアメリカはわれわれと直接交渉せよ」というのが北朝鮮の狙いのようだ。食糧不足と経済破綻の中で北朝鮮にとっての唯一の交渉材料は「核」しかない。綱渡りの「瀬戸際外交」が続いている。
クリントン政権の時から昨年まで対北朝鮮交渉特使を務めていたチャールズ・ブリッチャード氏(現ブルッキングズ研究所客員研究員)はブッシュ政権の強硬路線には終始反対してきた。1月の訪朝団にも加わって、北朝鮮高官らとも会っている。そのブリッチャード氏が帰国後、行った講演でこう指摘している。
「米情報機関の北朝鮮の核疑惑に関する情報はことごとく間違っていた。情報もアマチュアなら政策もアマチュアだ。アメリカは中国の仲介など頼らずに、かつてのペリー特使(元国防長官)のような全権大使を交渉者にして北朝鮮と直接対話すべきだ。6者協議が失敗に終われば、北朝鮮は核武装宣言するかもしれない。そうなれば、アメリカは経済制裁、あるいは軍事行動にすら出る可能性が出てくる。朝鮮半島はまさに危機一髪の状態になる」
<6者協議が再開すれば、それで安心だという考えだけは持つな>。北朝鮮を知り尽くしている元外交官の警告である。
(在米ジャーナリスト・高濱賛)