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(2004年2月3日付)
秋の米大統領選挙、そして3月に行われる台湾の総統選挙と国民投票、韓国の選挙と、今年は何が起こるか分からない。岡崎久彦・元タイ大使からの年賀状には「台湾選挙、東アジアの将来はすべてこれにかかります」としたためてあった。
米大統領選予備選ばかりに目が奪われがちだが、1月末に再開された米議会は、その台湾の「防御的国民投票」(陳総統)問題をめぐって活発な論議を繰りひろげる。
この国民投票は、台湾当局によれば、中国が台湾の現状を変えようと意図した時に、台湾人民は自らの進むべき将来を自主的に決定できる権利を国民の総意として決めておこうというものだ(陳総統はその前提として、(1)中国が武力行使の意図をもたない限り、独立宣言はしない(2)国名も変えない(3)二国論を憲法に明記もしない(4)現状を変更する独立問題は国民投票の対象としない――ことの4点をはっきりと公約している)。
これに対して中国は猛反発、ブッシュ政権も「現状を台湾が一方的に変えるのは問題だ」と中国の主張に理解を示している。
ブッシュ政権のこうした対応について米議会がどのような判断を下すのか。なんらかの立法措置をとるのか。台湾問題専門家でジョージタウン大学教授のロバート・サッター博士(元議会調査局主任調査官)は、「1979年の台湾関係法(TRA)の時のように議会が行政府の対中外交で歯止めをかけるような結論は出さないだろう」と予測している。
その理由として、同博士は、(1)台湾海峡では今差し迫った危機があるとは思えない(2)イラク問題を抱え、議会が安全保障問題で大統領の足を引っ張るとは思えない(3)米議会は、まだ陳総統がこの国民投票を本当に実施するかどうか、かなり国内政治的側面があり、予断を許さない――などを挙げている。果たして、この予測は当たるかどうか。
イラク、北朝鮮にばかり目が向いている米議会が久々に取り上げる台湾問題。そこでの論議は米中関係の今後を占うリトマス試験紙という意味からも目が離せない。
(在米ジャーナリスト・高濱賛)