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(2001年8月7日付)
アジアのなかで「優等生」を自他共に認めてきた台湾経済が絶不調に陥っている。今年第1四半期(1〜3月)の成長率が26年ぶりの低さだったことに加えて、今年の失業率も過去最悪の3.5%に落ち込むようだ。
台湾経済を象徴する半導体関連などIT産業は、工場の海外移転(おもに中国大陸)に忙しく、国内向け産業は経済不振からいっこうに上向く気配がない。5月の陳水扁総統(大統領)就任1周年を期して繰り広げられた大衆デモでは、自動車関連の労働者も加わって、「反失業」のかけ声が、いつまでもなりやまなかった。
だが、米国との国交断絶のときもそうであったように、一般の人々はこの不況を深刻がってばかりはいない。夜の日本料理店や夜店街は老若男女で賑わっている。けっして、安くはない(日本の7割程度)店でも結構繁盛しているのだから驚きだ。
「宵越しの金は持たない」といえば、江戸っ子だが、どうやら台湾の人々も江戸っ子気質よろしく、ちょっとやそっとの不況でくよくよするばかりではないようだ。
否、古来、同じ文化圏に属していたと言われる沖縄のことば、「やんくるなるさ」の精神が息づいているのかもしれない。そこには南国に共通の楽観主義がある。この10年、何かに付け悲観的になりがちだった日本人(本土人)は大いに見習いたいものだ。
そういえば、台北の日系百貨店はどこも黒字。明るい台湾は変わっていない。
(西田実仁・ジャーナリスト)