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(2001年7月3日付)
豊富で安価な労働力に頼った経済成長が通貨危機でとん挫したアジアは、いま成長の質を高める人材の育成に血眼だ。
例えば、タイではハイテク製品を開発するIT人材の育成とともに、小規模な事業を始める人材へも支援の手をさしのべる。先月25日に始まった低所得者層向けの起業資金融資がそれだ。
麺類屋台や衣料品販売など、小規模な店を開業するための資金として、政府貯蓄銀行が1万5000バーツ(1バーツ=2.7円)を上限に融資する仕組みである。これまで、こうした店舗を始めるには、知り合いに資金を融通してもらうか、はたまた月利2030%の高利貸しに頼るしかなかった。その結果、借金は雪だるま式に膨らみ、生活が破綻するケースも少なくなかったという。
一方、北京大学や清華大学など有名大学が集積する北京では、空港から35分の中関村に「中国のシリコンバレー」を建設しようと意欲満々だ。昨年は、海外で学ぶ1000人を超す中国人留学生を受け入れたという。これは、過去10年間の総計に匹敵する招聘数である。
さらに、国内のハイテク人材を移入するため、北京市に住むための戸籍付与制度を創設。また、国家外貨当局は、税引き後に自由に海外へ預金可能な特別優遇措置を講じている。
かつて、中関村は北京市街と郊外を結ぶうらぶれた一中継地にすぎなかった。だが、今や、やる気と能力のある若き人材で熱気にあふれる街へと急変貌を遂げている。
(西田実仁・ジャーナリスト)