

(1998年2月28日付)
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情報公開の一環、衆参両院が映像提供 |
日本初の政治専門チャンネル「国会TV」が二月一日、本格放送を開始した。衆院・参院の本会議や予算委員会の全中継をはじめ、すべての委員会審議を無編集・無解説で放映する。これら国会の映像と音声は、衆参両院が情報公開の一環として提供したものだ。市民が政治を監視するためにも注目の同チャンネルを紹介する。(野山智章記者)
“日本の民主主義を強くするテレビ”“あなたの茶の間は傍聴席になる”――これが「国会TV」のキャッチフレーズだ。
これまでの国会テレビ中継は原則として、(1)本会議での首相の施政方針演説と代表質問(2)重要法案の採決(3)予算委員会の総括質疑における各党一巡の質疑応答、となっていた。
一つの国会で百本近くの法律が成立するのに、審議が放送されるのは、せいぜい四、五本。しかも入り口の議論だけだった。つまり、市民は、部分的な国会の姿しか見ることが出来なかった訳だ。
いかなる議論がなされ、どのように法律が成立していくのか――「国会TV」では、すべての国会審議をはじめから終わりまで編集せずに放送することで、国会を透明化し、市民と政治の距離を縮め、日本の進むべき道を判断する材料を提供したいとしている。
「国会TV」を運営する(株)C―NETの田中良紹社長(52)に聞いた。
――どうして「国会TV」設立を思い立ったのか。
一九八四年にTBS政治部記者として国会を取材して驚いた。与野党激突というイメージだったのに大違い。官僚が法律を作り、各党に根回しして認めてもらうのが実態で、まさに国会はセレモニーだった。一方で、「視聴率が取れない」として、地味な審議をテレビは伝えていなかった。
そんな時、米議会の審議を編集せずに放送するテレビ局「C―SPAN」の存在を知った。ブライアン・ラム社長は、元国防総省の広報担当官。「ニュースのショー化」が不満で同社を設立した人物だった。
八九年五月、ワシントンに氏を訪ね、日本での配給権の交渉を始めた。「番組の素材配給の申し込みは多いが、同じようなテレビ局を作りたいというのは初めて」ということで好感をもたれ、独占契約に成功。将来、日本にも国会放送専門局ができるとの展望を持ち、九一年に二十二年間勤めたTBSを退社し独立した。昨年八月、日本の国会が「年末までに審議の映像を無料で公開する」と待望の決定。開局にこぎ着けた。
――視聴者からの反響で印象的なことは。
まだ試験放送期間だった一月二十二日、空転した衆院大蔵委員会の映像を約三時間、そのまま流した。ガランとした部屋で開会を待つ速記係、議員が入ってきて新聞を読んだり出ていったり……。当然、審議は中継できない。それでも視聴者から「国会が何をやっているかわかっていい」と電話がかかってきた。
米国の「C―SPAN」は、“ジャンキー(中毒者)”と呼ばれる熱狂的なファンを獲得し、政治家たちが競って番組に出るようになっている。日本の「国会TV」はスタートしたばかりだが、今後、現状の政治や社会に意見や不満を持つ多くの人々から支持されると期待している。
本格放送開始とともに「国会TV」を視聴しはじめた。この一カ月間の感想を言えば、「新鮮」の一語である。
例えば、従来は放送されなかった委員会の審議で当選回数の少ない“若手”議員の姿も見ることが出来る。地方行政、文教……などの関心ある分野の委員会論議もじっくり聴ける。
放送内容には、参議院での識者・専門家を招いた公聴会のようなものもあり、“良識の府”らしい内容に感心したりもした。また、カメラを全く意識していないのか、散会とともに委員長席に近づき、お土産らしきものを渡している議員がいたり、赤裸々で面白い。
米国の政治放送「C―SPAN」も視聴できるので、居ながらにして日米政界の比較が出来る。まさに、政治の質も国際競争にさらされる時代に入ったと痛感した。
CS(通信衛星)放送のパーフェクTVに加入し、「国会TV」(379Ch)を申し込む。視聴料は月額二百円(ベーシックパックと合わせると百円)。詳細は、パーフェクTVカスタマーセンター(電話0570―039―888)へ。
(1)国会審議
本会議や衆参それぞれ二十余りある委員会のすべてを放送。同時に複数の委員会が開かれた場合は時間をずらして対応。夜間、土日には、再放送も行う。
(2)C―SPAN
現在、全米で七千万世帯の契約者がいる政治専門テレビ局「C―SPAN」の独占配給権を取得。米国の連邦議会やシンクタンク、ホワイトハウスの動向等を毎日、放送。
(3)視聴者の参加
近く政治家をスタジオに招き、視聴者が電話で質問する番組も予定している。
(C−NET社長)